司法書士と行政書士って名前が似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか?混乱してしまいます。
こんな疑問を持つ方はいませんか?
確かに司法書士と行政書士って、共に「書士」がついて、一般の人が聞いたら同じように聞こえると思います。
でも実際は難易度から仕事内容まで全然違う資格なのです。
この記事では行政書士と司法書士の違いについて、分かりやすく解説しています。
どっちの資格を目指すべきかの考え方も終盤に書いているので、ぜひ参考にしてください。
行政書士と司法書士の仕事内容の違い
まず仕事内容について。
行政書士と司法書士では仕事内容も明確に違います。
両者とも、「書類作成」がメインとなる仕事ですが、その書類を提出する先のお役所が異なるのです。
行政書士の場合は、官公署(市役所・県庁・警察署・陸運局・土木事務所など)に書類を提出することが多いです。
司法書士の場合は、法務局や裁判所に提出する書類の作成がメインの仕事になります。
行政書士の仕事内容
行政書士の仕事内容については下記の記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。
司法書士の仕事内容
司法書士は行政書士と違い、以下のような業務をメインにしています。
いずれも行政書士には出来ない仕事です。(業務独占資格)
司法書士というとマイホームを買う時など不動産取引をする時に関わるイメージが多いかもしれません。
それ以外には、一昔前に過払い金バブルが起こり、債務整理業務によって大儲けした司法書士もたくさんいたことが有名です。
また、これからの超高齢化社会では成年後見や相続・遺言などの業務も益々需要が高まるでしょう。
行政書士と司法書士の難易度の違い
まず初めに行政書士と司法書士では難易度は段違いです。
圧倒的に司法書士が難しいです。
僕は行政書士には合格しましたが、司法書士には受かる気がしません。
僕のような行政書士合格者からしたら司法書士と間違えられるのはある意味嬉しいですが、苦労して司法書士に合格した人からしたら、「ふざけんな」という感じでしょうか(笑)
合格率について
▼行政書士の合格率について▼
平成28年度 | 9.95% |
平成29年度 | 15.7% |
平成30年度 | 12.7% |
令和元年度 | 11.5% |
▼司法書士の合格率について▼
平成28年度 | 3.95% |
平成29年度 | 4.07% |
平成30年度 | 4.32% |
令和元年度 | 4.39% |
合格率から言ってもこのように圧倒的に違います。
これくらいの難易度の資格を勉強したことがある人は分かると思いますが、「10%超え」と「4%」の間では非常に大きな越えられない壁があります。
勉強時間について
行政書士に合格するために必要と言われる勉強時間は約500~1000時間。
対して司法書士に合格するためには約2000~3000時間が必要と言われています。
司法書士と言えば勉強だけに専念しても、何年も不合格が続き、泣く泣く撤退したなんて話もよく聞きます。
それくらい人生を賭けて受験している人も多い資格なのです。
行政書士は独学でも行けるけど、司法書士は超難関だから厳しい
僕は行政書士試験に独学で合格しました。
それも働きながら、法学部出身でもないのにです。
同じように独学で行政書士に受かったという話はよく聞きます。
実際に受験してみて思いましたが、行政書士試験は凡人が独学で合格できるギリギリラインの資格だと感じました。
正しい教材と正しいやり方をすれば、行政書士には独学で行けるでしょう。
反面、司法書士となるとそうはいきません。
先程も書いたように人生を賭けて勉強だけに専念しても必ずしも報われるとは限らない資格です。
それだけ「合格率3~4%の壁」は大きいと言うことでしょうね。
司法書士は多くの人がスクールに通っているはずです。
行政書士と司法書士の年収はどうなの?
年収に関しては一応、平均データみたいなのはありますが、その数字は参考にはならないし、あまり気にしなくて良いと思います。
ご存知のように行政書士や司法書士は独立開業型の資格で、雇用されるような種類のものではありません。
もちろん最近は社員としての働き方を選ぶ人も多いですし、どこかの先輩事務所に修行として入る場合もあるでしょう。
しかし基本的には独立開業し、自営業者として生きていくようになります。
そうなると収入の多寡は完全に個人の能力・努力次第となります。
年収200万以下でヒーヒー言っている司法書士もいれば、年収3000万や5000万を超えて華やかに暮らしている行政書士もいます。
行政書士になったから、司法書士になったからといって、どれくらい稼げるかはやってみないと分からないのです。
行政書士と司法書士、どっちを選ぶ?決め方は?
純粋に仕事内容でどっちをやりたいかを考えて、決めるのが良いと思います。
司法書士は本当に難しい茨の道なので、覚悟はしておいた方が良いですよ
段階を踏みながら学習したい人は、最初に行政書士に挑戦して受かったら司法書士を狙うと良いでしょう。
特に法律の勉強が初めてだと言う人はいきなり司法書士はあまりおすすめしませんね。
ステップアップして取っていってダブルライセンスを狙うのもおすすめです。
- 行政書士は業務の幅が広いので、そこに魅力を感じるなら行政書士
- 司法書士は超難関故に社会的ステータスも高い
- 法律系の勉強が初めてなら行政書士からスタートが無難
▼ダブルライセンスについて▼
行政書士と司法書士は相性が良い?
街を歩いていても行政書士と司法書士の兼業の看板を掲げた事務所を見かけることがあります。
また行政書士の事務所のホームページや司法書士の事務所のホームページを見てみると兼業しているところも結構あったりします。
このことから行政書士と司法書士は割と相性の良い資格だと言われているのも納得します。
確かにそれぞれの資格に独占業務があり、お互いに出来ない部分をカバーしあっているので、職域が広がるというメリットがありますね。
例えば会社設立の業務にしても登記は司法書士の資格でやって、定款の作成は行政書士の資格で行うという具合です。
もし良ければお住まいの地域で兼業している先生はどれくらいいるのか調べてみるのも良いでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
行政書士と司法書士の違いについて解説しました。
本当によく間違えられる資格ですが、この記事で解説したように全く異なる資格です。
よく行政書士に受かったから、次は司法書士に挑戦という人がいますが、素直にすごいと思います。
僕は難易度が違いすぎて挑戦する気にもならなかったからです。
何年もかけて毎日コツコツと何時間も法律の勉強をしてようやくなれるのが司法書士という職業です。(結局なれない人もたくさんいます)
もし「司法書士になってやる!!」という熱い志を持った方がいましたらぜひ頑張ってください。
僕は司法書士については多くは語れませんが、行政書士についていくらでも語れます。
このブログではこれからも行政書士に関する情報を発信していくつもりなので、良ければブックマークお願いします!