行政書士書士になる方法は行政書士試験を受けるだけではないと聞きました。公務員の知人から無試験で行政書士になれると聞いたのですが本当ですか!?
こんな疑問を持っている方はいませんか?
実は行政書士になる方法って一つだけじゃないんです。
例えば公務員を20年もしくは17年継続して勤務すると無試験で行政書士の資格が得られるという制度があります!
この記事では公務員と行政書士の切っても切れない深い関係性について解説していきます。
行政書士や公務員に興味がある方はぜひ役に立つはずですから最後まで読んでくださいね。
【特認】公務員として20年(17年)勤務すると行政書士になれます
行政書士になるために必ずしも難関の行政書士試験を突破しなくても、公務員として20年(中卒の場合は17年)事務系の仕事に従事すると無試験で行政書士資格が得られます。
国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第2項に規定する特定独立行政法人をいう。以下同じ。)又は特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法(昭和22年法律第26号)による高等学校を卒業した者その他同法第90条に規定する者にあつては17年以上)になる者
行政書士法2条より
これを特認制度と言われたりします。
行政書士開業者の中にはこの制度を使って公務員を定年退職した後に行政書士登録をして開業する人がかなりの割合で居たりします。
では何故このような制度があるのでしょうか?
公務員優遇だ!と批判しますか?
実はこれには理由があるのです。
そもそも無試験で資格を与えるということは、その人が試験を受けるまでもなくその資格に必要な知識や実務能力があると認められるからです。
有名な話だと、税務署に長年勤めている公務員は税理士になれたりしますよね。
そして、行政書士の仕事内容とはお役所相手に1万種類以上とも言われる申請書類を作成提出すること。
この提出された書類を審査して許認可を出すのが公務員なわけですから、公務員は行政書士のやっている仕事を当然のように普段の業務でやっているわけです。
公務員なら誰でもいいわけではなく、「行政事務」に従事した人と細かく言われているのはこのためだったりします。
だから公務員を19年とか16年で辞めたりするのは非常にもったいないです。
せっかくならもらえるものはもらいましょう。
将来何が役に立つか分からないですから(笑)
行政書士試験以外で行政書士になる方法
詳しくは下記の記事で解説しています。
- 行政書士試験に受かる
- 公務員を20年やる
- 弁護士・公認会計士・税理士になる
まあこんな方法です。
特認制度を使う時の注意点やメリットとは?
注意点
注意点として、まず自分が本当に特認制度に該当するのかきちんと確認してから辞めましょう。
公務員人生の中できっと色々な仕事に従事してきたと思います。
その中には特認制度の期間として認められないものもあるかもしれません。
また、あまりにギリギリのスケジュールで辞めたりすると、必要な日数に数日足らないまま退職という悪夢のような話があるかもしれません。
きちんと確認をして、余裕を持って行動するべきです。
もらえると思って辞めたら実は不備があって無理でしたなんて泣けてきますよ。
メリット
メリットとしたら、やはり行政書士試験の勉強をすることなく行政書士になれることです。
普通に試験で行政書士になろうと思ったら合格率10%前後の難関ですからね。
また、行政書士は一応「先生」と呼ばれる士業の中の一つですから、定年退職後の肩書として行政書士を名乗る人もいるようです。
それまでは公務員としての肩書で生きてきて、定年退職した途端に「無職」という肩書になるのは嫌な人も多いかもしれません。
そんな時に役に立つのが特認制度というわけです。(まあ行政書士会費はかかりますが(笑))
行政書士と公務員、どっちを目指す?
行政書士と公務員、どっちを目指すか悩んでいる人もいるかもしれませんが、僕は結論、どっちも目指せと言いたいです。
それは何故かというと公務員試験と行政書士試験って結構な範囲が被っているからです。
- 憲法
- 民法
- 行政法
- 政治・経済・社会
- 文章理解
ここまで被っているのですから、どっちかがどっちかの足を引っ張るというよりは相乗効果でメリットの方がデカイです。
どういうことかと言うと、行政書士の試験問題が公務員試験に使えるし、公務員試験の試験問題が行政書士試験に使えるのです。
実際に僕は行政書士の民法を学習する時に公務員試験の民法の「スー過去」という有名な参考書を併用していました。
公務員試験と行政書士試験の難易度の違いはある?
必要な勉強時間は両者1000時間くらい
どちらも必要な勉強時間は約1000時間。
問題のレベルも似たようなもんです。
公務員試験もピンキリなので、行政書士レベルがどれくらいかと言えば、地方上級とか国家一般職くらいでしょう。
僕は公務員試験も受けたから比較できますが、国家一般職よりちょっと行政書士試験の方が難しいかなと感じました。
公務員試験は面接で落ちる人も多いから注意
公務員試験には面接があるので注意しましょう。
特に近年は公務員でも面接重視の風潮になっているので、いくら筆記で得点できても面接でサクッと落ちてしまう可能性もあります。
公務員試験は落ちたら何も残らないですから、その意味では行政書士を取っておくと財産になるのでおすすめです。
公務員の定年後に行政書士をやるという選択
公務員を定年退職した人が特認制度を使って行政書士になり、第二の人生をスタートするということもあるようです。
公務員を定年退職し、退職金も年金もあるわけですからガチでやっても良いしある程度稼働を抑えて自分の好きなようなスタイルで働くことも可能です。
また、定年後に社会的な地位や繋がりを求めて開業するという人もいると聞きました。
紹介された依頼を受けるスタイルや知人の商売の許認可申請を手伝うなどパターンは様々でしょう。
どんな働き方にせよ、せっかく行政書士を名乗れるのなら使ってみても良い制度だと思います。(行政書士会の年会費はかかりますが)
まとめ
公務員を20年続けると無試験で行政書士登録ができますよという話でした。
公務員として行政事務を20年以上もやっていれば、行政書士の業務内容にも精通し、実力的には文句もないのかもしれないですね。
安定していると言われる公務員として勤務していても人生何が起こるか分かりません。
やりがいを求めたり、自由を求めたり、高年収を求めたりして、特認制度を使って行政書士の世界に飛び込む人もそりゃいるでしょう。
いずれにせよ選択肢が多いのは喜ばしいことです。
この記事があなたにとって何か参考になれば幸いです。
ご精読ありがとうございました!
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