行政書士試験を受験する話をしていると、「行政書士は誰でも受かる、簡単だよ」と主張する人がたまにいますが、それは本当なのでしょうか?
こんな疑問を持つ方はいませんか?
確かに一部の人は行政書士試験を鉛筆を転がしたら受かるレベルで簡単だと思っているのも事実です。
ですが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
そこでこの記事では最近の行政書士試験の傾向と難易度について、実際に受験した僕が解説していきます。
現在の行政書士のリアルな難易度を知りたいという方はぜひご覧ください!
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昔の行政書士試験は簡単だった
大昔(特に昭和の時代)の行政書士試験は今と違って簡単だったと言われています。
場所によっては合格率が30%を超えることもあり、一桁付近をウロウロしている近年の試験とはまるで別物です。
簡単な作文が出題されたり、今とは文章の長さが全然違う問題が出題されたり、本当に同じ試験なのかと疑問に思います。(問題は年々文章が長くなって、難しくなっている気がします)
バブル経済に沸いた時代にあえて行政書士を取得しようという考えの人が少なかったのもあるでしょう。
人気が無いし、受験生も少ないので難しくしてしまったら、さらに受験生が減っていって資格の存続が危ぶまれるようになるかもしれません。
こんなに難しくなるのなら簡単だった時代に取っておけば良かったというのは受験生あるあるではないでしょうか(笑)
行政書士試験が難関資格に成り上がった歴史
簡単だった時代を経て、平成の時代に入り、行政書士試験の傾向も変わってきます。
「失われた20年」とも言われる景気の停滞の中で、
- 資格を取って転職しよう
- これからは資格の時代だ
- 手に職を付けるために資格を取ろう
というような資格ブームが巻き起こります。
そして「カバチタレ」というようなドラマのヒットもあり、行政書士という資格の知名度と人気が高まり、それに付随して難易度も上がっていった印象です。
もっと言うと2000年代に入り、試験制度の改正が行われ、それをきっかけにして難易度がさらに上がります。
2000年度の改正で、問題のレベルが上がり、過去問をちょろっと解いただけでは太刀打ちできなくなってきます。
2006年度の改正では記述式や多肢選択式が導入され、さらに「思考力」が問われる試験へと変わりました。
そして合格率一桁台が当たり前となり、テキストを流し読みしたり過去問を1,2回解いただけでは合格できない難関資格と成り上がったの平成の行政書士試験のダイジェストです。
平成の終わりから令和の時代にかけて受験生は減少傾向にあり、合格率も少し上がり、平成29年から令和元年の3年間は合格率10%超えが続きました。
ピーク時には7~8万人だった受験生は今や3万人台でこれからの動向が注目されるでしょう。
行政書士試験が難化した理由
合格率が下がった
昭和時代に比べ極端に合格率が下がったことが難化を示す証拠です。
これまでに述べてきたような流れで下手したら30%とかあった合格率が10%以下へと落ち込んでしまいました。
ドラマの影響で人気が出た
先程も書きましたが、2001年に始まったドラマ「カバチタレ」の影響で行政書士という資格の知名度が一気に上がり、受験する人も増えたことでしょう。
人気が出てくれば、それだけ競争も激しくなりますから、なかなか受かるのが難しくなります。
人気が出て資格全体が盛り上がるのは良いことですが、全員を合格とさせるわけにもいかず、難化せざるとえないという一面もあると思います。
試験問題が難しくなった
2000年代の二度の試験制度の改正で記述式や多肢選択式の導入、問題の難易度の上昇などがあり、それまでの勉強が通用しなくなってしまいました。
過去問やテキストをしっかり理解した上で応用力を試されるような問題が増え、知識だけを問うのではなく、思考力を問われる試験となったことが難化の原因です。
司法試験や司法書士試験の受験生も受けるようになった
司法試験や司法書士試験の受験生が腕試しで受けるというパターンも増えてきて、ライバルが強くなっています。
司法試験の三振制度で不合格になってしまった人が、法律の仕事の夢を諦めきれずに行政書士試験になだれ込んでくるという話もよく聞きました。
このように受験生のレベルが上がるとそれに対して試験問題のレベルも上がっていくと考えられます。
これで割を食うのは一般の行政書士を目標に勉強している僕のような人なのですが(笑)
最近の行政書士試験は独学では歯が立たないのか?【いえ、大丈夫です】
事実、僕は独学で850時間勉強して行政書士試験に一発合格できました。
試験の事をよく知り、計画を立ててコツコツと学習していけば決して不可能な資格ではないのです。
合格するために500~1000時間の勉強が必要と言われていますが、それくらいの時間を半年~1年かけて勉強して独学で合格している人は結構いると思いますよ。
確かに昔に比べれば合格するために必要となる労力は増えたでしょう。
しかしだからといって、仕事を辞めて予備校に通わないと合格出来ないとか、5年10年受験して諦めるとかそういうレベルでもないのは確かです。
注意点としては、「ただやみくもに無駄な勉強をしないで、効率良く得点に結び付く勉強法を実践しよう」ということです。
膨大な量の行政書士試験の学習内容を非効率にいきあたりばったりで学習していたら、不合格一直線だと思います。
もし独学でやり切る自信がないとか、勉強習慣が続かないとか、勉強法が分からないという人がいたら通信講座や予備校を検討してみるのも手です。
費用はかかってしまいますが、短期間で効率良く学習するためのヒントや環境が得られると思えばそれほど高い投資でもないでしょう。
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行政書士が簡単という嘘に惑わされてはいけない
行政書士試験を受けたことない人に限って行政書士は簡単だよと臆面もなく言ってたりします。
確かに司法書士や税理士試験に比べたらそりゃ簡単ですが、一般的なそこら辺の人がちょっと勉強したくらいでは合格できないくらいの難易度はありますよ。
初めて法律を学ぶ人なら1年くらいは遊ぶのを我慢して仕事以外の時間の多くを受験勉強にあてる必要はあります。
行政書士が簡単だという言葉に惑わされて試験日に玉砕した人は数え切れないほどいるでしょう。
中途半端に勉強して実力不足で試験に落ちてしまうのは時間的にも金銭的にももったいないです。
どうせ受験するならしっかり勉強して合格を勝ち取って欲しいと思っています。
まとめ
いかがでしょうか?
行政書士が簡単だという意見に対しての僕の考えを述べてみました。
合格率が一桁台の時に勉強していて、「昔の簡単だった時代に受けたかった・・・」と何度思ったか数え切れません(笑)
このように資格というのは時代の流れとリンクして難化したり易化したりするものだと思います。
もし行政書士資格に興味があるのなら、早いうちから勉強して、取れる時に取っておくことが大事なのかもしれません。