行政書士の資格は独立開業型の資格と言われ、合格者のうち多くの人が開業しています。
しかしネットでは「行政書士は食えない」という声も多く、実際に3年以内で9割近くの人が廃業してしまうとも言われています。
このようないわゆる短期廃業をしてしまうことには何か原因があるのでしょうか?
この記事では短期間で廃業してしまう行政書士の特徴をまとめています。
これから開業を検討している人のなにかのヒントになれば嬉しいです。
短期間での廃業が多いと言われる行政書士の資格
行政書士の資格を取ってせっかく開業しても3年以内に9割が廃業するという声もあるように高い廃業率が目立っています。
廃業する理由は様々ですが、
- 仕事が無くて食えない
- 兼業していたが行政書士の業務はほとんどやってなかったから
- 個人事業主よりサラリーマンとして働く方が向いているから
などの理由が考えられます。
それではせっかく難関資格である行政書士に合格できたのに食えなくて廃業してしまう人というのはどのような傾向・特徴があるのでしょうか?
「こんな人だと行政書士で開業しても苦労しやすいよ」という人の特徴を以下にまとめてみました。
短期廃業する行政書士の特徴4選
営業が苦手
行政書士として開業したら、机にただじっと座っていても誰かが仕事を運んできてくれるわけではありません。
自分から足を使って、人と会って、広告やインターネットなども活用しながら営業していかなければいけません。
開業当初からお客さまが付いているというケースもあるでしょうが、多くの新人行政書士はゼロから顧客を開拓していくのではないでしょうか。
営業をして仕事を一つ一つ獲得して、不慣れな依頼にも全力で取り組むことによって、行政書士としての実力も磨かれていくようです。
しかし肝心の営業が苦手だとしたら思うように仕事が取れず、実務経験も積めないまま年数だけが過ぎていき、気が付いたらにっちもさっちも行かなくなって廃業というケースもあるようです。
会社員なら営業が苦手なら得意な人にやってもらって、自分は他の仕事をやれば良いのですが、個人事業主として仕事をするとなると基本的には営業も実務も事務作業も全て自分でやるので、大変です。
コミュニケーション能力が乏しい
行政書士の仕事が、事務所の中で誰とも関わらずコツコツと書類作成だけをする職人的な仕事だと思っていませんか?
中にはそういう働き方をしている行政書士もいるかもしれませんが、やはり多くの行政書士はお客さんに会って、ヒヤリングをして打ち合わせをして雑談をしてとコミュニケーション能力を求められます。
また申請で官庁を訪れた時も担当の方とやりとりする中で、「この人大丈夫かな?」と担当職員の方に思われたらスムーズに依頼が進まず、依頼者に迷惑がかかるかもしれません。
せっかく広告を打って、問い合わせがあったのに、一番最初の電話で頼りない、自信なさげな対応をしてみすみす依頼が逃すということがあるかもしれません。
行政書士の仕事はコミュニケーション能力が無くては話にならないと覚えておきましょう。
ダブルライセンス、トリプルライセンスを狙って勉強に集中する
行政書士として開業したのに、行政書士だけでは足りない気がしてダブルライセンス、トリプルライセンスを狙う人にも注意が必要です。
開業したばかりでお客さんも実務経験も営業量も不足している時に並行して他資格の勉強などができるでしょうか?
二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉があるように、共倒れになることは目に見えています。
それならいっそ行政書士登録はせずに、資格勉強に専念した方が良いのではないかと僕は思います。
開業前の準備が不十分
開業前に十分な準備をしないで見切り発車をしてしまい、短期廃業に繋がる可能性もあります。
- 開業資金が少なすぎてすぐに底をついた
- 行政書士がどんな仕事かあまり理解していなかった
- 開業する場所や予定取り扱い業務の選定を間違えた
これらのミスによって、開業資金を補填するためにアルバイトを始めて、いつの間にかアルバイトメインの生活になってしまったり、行政書士の仕事をやってみたら自分に向いていなかったことが分かったり、その地域で需要のない業務をひたすらアピールしてしまったりということがあるかもしれません。
短期廃業をしないためには事前の入念な下調べと準備が必要かと思われます。
行政書士の資格を取って開業してからが本当のスタート
これまで見てきたように行政書士を取れば成功が約束されているというわけではなく、むしろ資格を取ってからようやくスタートラインという感じです。
そこからは個人事業主として、経営者として、国家資格者としてライバルたちと競争していかなくてはいけません。
もし短期廃業する行政書士の特徴に当てはまりそうな人がいたら、一層気を付けて開業に望んで欲しいと思います。
まとめ
いかがでしょうか?
行政書士で短期廃業する人の特徴4選を発表しました。
まとめると、
- 営業が苦手
- コミュニケーション能力に乏しい
- ダブルライセンス、トリプルライセンスに集中している
- 準備不足
となります。
つまり行政書士として開業して生き残っていくためには、営業に積極的に取り組み、コミュニケーションを密にして、他資格に目移りせず、開業資金などの準備を万端にして取り組むのが良いと思います。
なにかの参考になれば幸いです。
ではまた!
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